あぁ…


紅葉がいない世界は


こんなに色褪せているのか。


奥見屋の娘を嫁に迎えても


何も変わらない


何も思わない


色が見えない


「…さん、栄蔵さん!」

「!あぁ、ごめん。なんだったかな。」

「今日の夕飯の買出し、一緒に行きま
 しょうよ。」

「そうだね…。」


「じゃぁ準備してくる!待っててくださ
 ね、栄蔵さん!」