城に来てからの紅葉とはいうと、
一切笑わず、ただただ一日を過ごして
いるだけだった。


そなたの美しい愛らしい笑顔が
みたいのに…


何度か寝所を共にした。


しかし…


触れることができなかった。


小さく震えて涙する紅葉を抱くなんて
できなかった。


紅葉の中にはまだ、許婚がいる。


あいつを何とかしなければ…