紅葉…そなたを城下町で見つけた瞬間
私は恋に落ちてしまったのだ。


正室もいて側室も何人もいて…


しかし誰一人としてこんな気持ちを
抱いたことはないのだ。


そなたが、許婚であろう男と楽しそう
に歩いている姿をみて…


『何が何でも欲しい』


そう思ったんだ。


紅葉の両親は城で働くことを願って
いたので、話はすぐに付いた。


紅葉は…許婚と離れるのがいやだった
のだろう。


最後まで目を泣き腫らしていた。


かわいそうなどとは、


思わない。


私のものになった。


そう思っていた。