「あっ!お前、俺のから揚げ返せよ!!」 (返してなんかやるもんか) 私は取り上げたそれを素早く口に放り込む。 「ん〜菫さんのから揚げ、超美味しいぃ〜」 目の前では菫さんが大きな声をあげて笑っている。 横では呆れた顔の來が、今しがたから揚げのなくなった皿に盛り付けされたレタスを突いていた。 こんな私と來のやり取りは、都田家では日常茶飯事。 でもそれがいつも幸せを感じられる時間だった。 都田家は母子家庭で、來の父親は來が小学生のときに亡くなっている。