前を見るとただの赤信号。


車が停車しているのは片側3車線の国道。


丁度通勤ラッシュの為か車の通りは激しい。




けれどこのチャンスを逃す手はない。


私は躊躇いもなく車のドアを開け車を降りた。


そのまま勢い良くドアを閉めると、振り返ることもせず、その場を走り去った。


      
      










その頃車内では、取り残された男二人が呆気に取られていた。




「・・・・・・・・・・、追いかけますか?」



「・・・・・・・・・・、いや、間に合わないさ。

自宅に戻ってくれ。」


「・・・・・かしこまりました。」





大きなため息が車内に零れ落ちた。