春夏秋冬

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「ありがとうございました。」


彼は今、大阪のコミケ会場にいた。
自分で作って来たラミカや漫画。色紙等を販売している。
彼のスペースの前は凄い人だかりが出来ていた。


「春さんお疲れ様です。」
「ん?あぁ、お疲れ様です。」


隣のスペースの方が彼に挨拶をする。

「春さん、またまた売れてますな。」
「いやぁ、んな事ないですよ。」
「今回は、在庫を売り切ると見た!」
「正解。」


彼は、携帯を見る。



〇ナツ
〇2008.04.12
RE:
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今、乱闘が起きた!!最悪д



(乱闘!?)
メールを見た瞬間、彼は椅子をガタっと揺らした。
バランスを崩したようだ。
しかし、なんとか倒れるのだけは回避した
隣のスペースの人を見ると、不思議な顔をして、彼を見ていた。


「だ、大丈夫ですか?」
「あぁ……」
「何かあったんですか??」
「いやさ、幼なじみが乱闘に巻き込まれたって…」
「乱闘ですか!!?」


とりあえず彼は彼女に返信をして、
販売に戻る。


「ってか、春さんの幼なじみ、女の子ですか??」
「?まぁ……」
「いいですね〜…彼女さんですか?」
「…そんなんではない。」
「気になったり?」
「いや……多分………」







その時の彼は、
少し照れていて、そしてどことなく、悲しい表情をしていた。