そんな不意に聞こえた短い低い声。
ユノとレイツは揃ってその声がした方向を見た。
見た、その瞬間にナイフが飛んできて二人の真横を通り過ぎる。
「「……………………………。」」
「今は戦闘中だ。ふざけてるなら帰った方が身のためだけど?」
「「……ごめんなさい。」」
まさかのまさかで自分の部下にナイフを投げつけた上司、ブロードに二人は小さく謝った。
ちなみにナイフはクリスの物。
それを拝借し投げつけたブロードは二人の返事を聞いた途端、明らかに不機嫌だった表情をにこやかな笑みに変えた。
────にこやかな、だが黒い笑みに。
「わかればよし。さ、敵を倒して。あ、ユノ、殺しは許さないよ」
その恐ろしい笑みで喋りながらも敵を倒し、ブロードはユノに注意した。
ユノはちょっと納得いかなさそうな顔をするが、一応上司の命令なので仕方なく頷く。
ブロードは彼女のその様子に目を細めた。


