「あのですね。ブロードさんもレイツさんも、帰って来たばかりなんです。疲れてるんですよ」
自分を見上げる初老の女性を見下ろし、一言一言言い聞かせるようにユノは言い張った。
それでも渋るのでクリス君だって私達がいない間の仕事に追われてたんですよ、と孫を指差せば、やっとミノリは反応を見せた。
が、しかし。
「それくらい出来て当然。私の孫ですもの」
あっさりそう言って、彼らを解放しないミノリ。
しかしこの言い合いの間に、シエラとリシアはレイツを部屋に運び込むのに成功した。
二人が今度はクリスに取りかかるのを見て、ユノは嘆息する。
「お願いします。明日も仕事なんです」
正直ブロード自体はどうでもいいが、それだと明日の仕事に支障が出る。
そして私も休ませてくれ、とユノは切に願っていた。
それが通じたのか、ミノリは仕方ないわねぇと溜め息をつくとにっこりとユノを見上げる。
「クリスの部屋にブロード君も運んでくださいな。二人を見てますわ」
「客室が二階にあるのでそちらを使ってください」
「遠いじゃないですか」
「クリス君の部屋にベッドは一つしかありません」
まさかまだソファで寝かす気か。
やっと見えた希望の光は見事に消え去った。


