ブルービースト


「全く…お兄ちゃん、風邪引くよ」


そう呆れたように言うシエラは、レイツの部屋から毛布を持ってきてそれをかけてやった。


これではどちらが年上かわからない。



「お喋りしたかったのに…」という呟きを落とし、シエラは兄の眠るソファの隅っこに腰掛けた。




「貴女達も飲むかしら?」


「いえ、私達未成年なので…」


「関係ないわ、クリスも飲んだんですもの」


「それは無理矢理でしょうが…」



また孫が唸った。


祖母は聞こえないフリをする。




「誰かお酒に強いコはいないの?つまらないわ」


「つまらないって…。あの、ブロードさん達部屋に運びますけど」



つくづく迷惑な人だ。


そう心の中で毒づきながら、ユノは自分の上司を指差した。



するとミノリはムッと顔をしかめ、頭を振る。




「この子が酔ってるのにかこつけて既成事実でも作ろうと言うの?駄目よ」


「きせいじじつ?何のことですか?」


「大体女の子が男の子を運べるワケないでしょうに」



ユノの疑問は綺麗にスルーされた。


そろそろ苛ついてきた補佐は必死に怒りを耐えながら、こめこみをひくつかせている。