ブルービースト


「ブロード君をモノにしようなんざ、百年早いわよ」



──…ピシッ、と固まる空気。


驚くシエラ、溜め息をつくクリス。




そんな二人を華麗にスルーし、ミノリは嫌な空気に冷や汗を流すリシアに微笑んだ。




「あの子はね、貴女にはつりあわないわ」


「ひっ、えと…っ」


「ばあちゃん…、やめてください。それ今まで何人に言ってきてると思ってるんですか」



涙ぐんだリシアに助け船。


心底疲れた様子のクリスの服の裾を、リシアはひしと摘まんだ。



…もちろん、ミノリに見えないように。




「クリスは黙ってなさい。だってねぇ、…あら?」



何か言いかけたミノリだったが、不意に外が騒がしくなって言葉を切らせた。


助かった、とほっとする第一部隊の面々も、何事かとそちらに目を向ける。


するとすぐに、外と中を繋ぐ大扉から騒ぎの原因の声が聞こえた。





「嫌だーっ!外すぅーっ!」


「駄目だっつってんだろが!てめえ言うこと聞きやがれ!」


「やだぁーっ!バレる、バレる!怒られるぅう」


「怒られろ、お前なんざ!いいか、絶対外すなよ!」


「いーやーだぁあっ!」


「黙れクソ上司」


「ひぃっ!?お助け!」