「ほら、この前帰ってきたときにボタンがほつれたとか言って家に放ってったYシャツ。つけときましたよ」
ミノリはそう言うと、一歩踏み出して袋をずいとクリスに近付けた。
「ああ…」
ありがとうございます、と孫は礼を言って受け取る。
それに満足そうに頷き、おばあさんは今度は誰かを探すかのように周りを見渡した。
「ブロード君はいないのかしら?」
「…あの人は遠征中です」
ピクリと肩を揺らしクリスは答える。
そう…、と残念そうにするミノリにシエラがもうすぐ帰ってきますよ、と言えば、青年は余計なことをとばかりに睨んできた。
珍しいそれにシエラは目を丸くして驚く。
「じゃあ待ってようかしら」
そう笑顔で溢したミノリは、椅子に腰掛けると隣と向かいを指差しクリス達を促した。
強制的に一緒に待つことにされた三人は、仕方なく言われた通りに座る。
「時にそこのアナタ」
三人が着席したのを見届けたミノリは、リシアを見据え声をかける。
きょとんと首を傾げた彼女ににっこり笑むと、妙に迫力ある声でこう言った。


