ブルービースト


そうして、何だか納得いかないまま引き摺られ一階に着いたクリス。



ロビーへ繋がる扉をくぐると、何だか騒がしいその場に三人はぱちくり瞬きをした。




「なになにぃ?」


「お兄ちゃん達が帰ってきたのかな?」



そう言いながら騒ぎの中心へ向かうリシアとシエラ。


ガッチリ腕を掴まれたままのクリスも、仕方なく彼女らに従う。





「どしたんですかぁ?」



やがて辿り着いた野次馬の輪の一番後ろにいた男に声をかけると、そいつはリシアを見た途端頬を紅く染めた。


恐らくは無駄に軍服のボタンを開けた胸元のせい。



男は見上げられ慌てて目線を逸らすと、騒ぎの元凶を指差した。





「こ、こんなところに老人がいたもので、誰の親かと少し騒がれているんです」


「老人?」


「はい。あそこのおばあさんです」



それを聞くと、クリスの両脇で身長が低い女性陣はうんうん背伸びをしてみせた。


が、大人の男が立ちはだかっているのだから当然見えるわけもなく。




「ごめんなさい~、通りまぁ~す」



直ぐ様『色気で悩殺☆さああたしに道をあけるのよ!』作戦に切り替えたリシアは、男達の間を縫いながら上目遣いで彼らを見上げた。


するとあっさり開く壁。


デレデレしている男達とわかっていてわざとそうするリシアに、クリスとシエラは呆れた顔をした。