それからしばらくじゃれあい(と言う名の一方的な殺し合い)をし、ひたすら歩くとやっとあの炭田が見えてきた。
ここを突っ切れば医療テントに辿り着く。
「走ったときはわかんなかったけど、案外遠いもんだね」
「ちんたら歩くからですよ」
「だってユノが重…うぐっ」
女子にとっての禁句を口走った蒼に鉄拳。
ブロードは殴られた頭を擦り、うーと唸った。
が、こればかりは自業自得である。
「じょ、冗談なのに…」
「言っていいことと悪いことの区別もつかないんですか」
「ごめんなさい」
素直に謝るブロード。
振り向けばもれなく般若が見えそうな気がする。
後ろから感じる殺気に、中将は慌てて話題を変えた。
「でもここまで来れたのもユノのお陰だよ、サポートありがとう」
「え」
ここに来てそんなことを言い出したブロードに、ユノは些か驚いたらしい。
蒼の話題逸らし大作戦は成功だ。
その相手はぱちくり瞬きすると、また背中に顔を埋めた。
あれ、変なこと言ったっけとブロードは首を傾げる。


