俯いているのは足元のせいか、それとも心情のせいか。
どちらなのかはわからないが、ユノは目の前の蒼い頭を見つめ溜め息をついた。
「…何で自分のことには無頓着なんですか、馬鹿」
「それが俺だからだよ、阿保」
「…馬鹿です馬鹿、クズ」
「どっちなのそれ」
苦笑するブロードになんだか切なくなり、ユノは華奢なくせに意外と広い背中に額を押し付け黙り込んだ。
なんだか甘えたな彼女に笑みを一つ溢し、ブロードは背負う温もりをこちらも黙って受け入れる。
「……ブロードさんにも、怖いものってあるんですね」
やがて口を開いた彼女は、そう言うとまた溜め息を落とした。
それにケラケラ笑い、ブロードは少し冗談を言ってみる。
「まぁね。例えば今背中にいる誰かさんとか」
「誰かさん?一体誰でしょうか教えて下さいマスか」
「ぐえっ、な、何でもないですすみませ…っ」
腕に力を込めギリギリと首を締めれば、潰れたカエルのような声でブロードは謝った。
毎回のことだが、…それでいいのか中将。


