「ブロード!」
「アサギさん」
駆け寄ってきた彼は、背負われているユノを見て心配そうに表情を歪める。
かすっただけだと言えば、大将は大袈裟に安堵の息を吐いた。
「お前らが二人で走ってったってレイツに聞いてよ…」
「砲撃台落としてきました、イェイ」
「イェイじゃねぇ!ったく、無茶しやがって」
呆れるアサギにお前は怪我はしてないのか、と問われブロードはへらりと頷いた。
すかさずユノは彼の頭を殴る。
「いたっ」と溢した彼を無視し、ユノはアサギに少し腕を斬られていたことを伝えた。
「……お前なあ…」
「いや、えと、こんなの怪我のうちに入らないし」
「黙れ。そのままユノちゃんと一緒に医療テント行け。俺は怪我人を探すから」
「う…、はい」
ユノを背負っていることから、そんなに深い怪我ではないと察したのだろう。
アサギはブロードに言いつけると、軽く彼にゲンコツを食らわせた。
それから何かあったら無線で呼べ、と言い残して走り去っていく。
「……アサギさん、忙しそうですね」
「あの人はいつもああだよ。自分から怪我人探しに走るんだ」
言うブロードの表情は、至極柔らかいものだった。
至近距離でそれを見たユノは、また頬を染めてしまう。


