ブルービースト


「司令官が情に流されてていいの」



その言葉にダンテはピクリと片眉をあげた。



「黙れ!俺はこの目で見た。兄貴がお前に殺されるのを!お前にこの気持ちがわかるか!」


「……いつの話?」


「九年前だ。ずっと機会を伺ってた…。兄貴は強かった。なのにガキのお前に殺された…。俺は兄貴を越えて強くなったんだ!今ならお前を殺せる…」



興奮しているのか叫びながら言うダンテ。


ユノが一瞬振り向いた。


それを手を振って制し、ブロードは呟く。



「九年前…、俺が12のときか…」


「そうさ!軍に魂を売ったクソガキがいるって、こっちじゃ有名だった…」


「……………………。」


「すぐその魂地獄に引き下ろしてやる!」



最後にそう怒鳴り付け、ダンテはブロードに再び襲いかかった。


怒りのせいか、動きが大振り過ぎる。



ブロードは右足を一歩踏み込むと、あっさり隙だらけの首元に剣の峰を打ち込んだ。


最後に抵抗しようとしたのか、剣を少し振ってダンテは崩れ落ちる。




「思い上がりも甚だしいね」




斬れた袖から滴り落ちる自らの血をそのままに、地に付した男を見下ろしブロードは囁いた。


最後の抵抗で左腕を少し斬られた。