「無理しないで下さいよ。死なれたら仕事がまた溜まりますから」
「うん。でも危ないと思ったら俺は切り捨てて逃げてね」
──…そんなこと、出来るわけない。
心の中でそう思いながらも、一応頷いた。
満足そうに目を細めた上司は、早速とばかりに駆け出す。
ユノは周りの敵を牽制しつつ、真っ直ぐ突っ切る彼の背中を追いかけた。
途中、レイツらの戦う場所に入ったが、ブロードは気にせずそのまま走る。
「あ!?ブロード!?」
副隊長の驚きに満ちた声が聞こえたが、彼は振り返らなかった。
ユノも生憎そんな余裕はない為、目を見張るセリナやクライドを無視して進む。
駆け抜けていく蒼色に、しばし班のメンバーは呆然としていた。
やがて二人は砲撃台のある、元はこの町の領主の住まいだったのであろう建物にたどり着く。
二階にあるベランダの隙間から、目的であるそれは顔を覗かせていた。
「ユノ、ちょっと離れてて」
そう言ったブロードは、腰のホルダーから小さな球体を取り出しそのてっぺんから出た紐を口で引っ張る。
そのままそれをベランダに放り投げた。


