「駄目だ。右目が見えない奴が何言ってやがる」
「感覚は取り戻した、って言いましたよね。もうヘーキです」
低い声で言う上司に負けじと言い返す。
なおも許す気のなさそうな大将を見て、ブロードは頭を軽く下げた。
「行かせて下さい。駄目だと思ったら切り捨ててくれていい」
「……………………。」
「…見てるだけは嫌です。もう、間に合わなかったなんてことにはしたくない」
表情こそは見えなかったが、それは少し緊張の混じった声色だった。
その台詞に、ユノはリシアから聞いた過去の話を思い出す。
『間に合わなくてごめんね』
リシアにそう言った三年前のブロード。
同時に亡くなった親友にも向けたであろうその言葉。
彼とハイリアがどんな経緯で親友と呼べるまでになったのかはわからないが、きっと彼もかなりのショックを受けただろう。
ユノからしたら軍隊ではじめて仲良くなったリシアをなくすようなもの。
…そんなこと耐えられない。
でも。
彼が無理をしていなくなったら、それこそ──…


