「ブロードさん…それ…!」
ユノが指差す先は、彼の顔。
綺麗な整った顔の左側を、真っ赤な血が流れていた。
額にかかった蒼い前髪が、紅に染まっている。
「ちょっとヘマして…。怪我なんていつぶりかな」
血が目に入って痛いのか、左目を押さえながらブロードは言った。
ユノは急いでポーチから簡単な医療セットを取り出す。
「どこ怪我したんですか?」
「……額…。目が痛くって…、とりあえずこの血どうにかしてくんない?」
「わかりました」
言われて急いでタオルを出した。
それを差し出し、「私がやって痛いといけないので」と自分で拭くよう上司に促す。
「……えっと…」
「? ブロードさん?」
「おいブロード」
何故か困ったような顔をしたブロードに、ユノが首を傾げると同時にアサギが声をかけた。
は、としたブロードは顔を上げる。
「アサギさん?いたんですか?」
「は?ずっといたじゃねぇか」
「…あ、…気が動転してたみたいです。すみません」
俯いた部下に、アサギは眉を潜めた。
どうしたんだとも思ったが、先に訊きたいことをぶつける。


