「…血?」
低い声が、炭田の天井に響いた。
壁際に近いある場所に、血らしき紅いものがついている。
見た感じ、…新しいものだ。
「……ブロードさん…?」
呟いたユノの声が震えた。
彼の剣はさっき、入口付近にあった筈だ。
敵襲が来たとして、…どう戦ったのか。
「落ち着けユノちゃん。アイツは確か銃を持ってた」
「…は、はい」
動揺するユノにアサギは慰めるように言う。
そして、更に奥へと向かった。
ユノはその背中を追いかける。
すると、ある程度進んだところでその背中がいきなり止まった。
思いきりぶつかったユノは、驚くものの咄嗟に銃を構えアサギの横に出る。
「今度は何ですか?」
「……………………。」
黙ったままのアサギ。
ユノは闇の奥に目を凝らす。
すると。
「……ブロードさん!」
そう、そこには彼がいた。
こちらに背を向け床に座り込む補佐するべき上司に、ユノは急いで駆け寄る。
「よかった、大丈夫ですか?」
「…………ユノ?」
膝をついて背中を叩くと、彼は振り向いた。
振り向いた、その瞬間にユノは息を呑む。


