「よし」
砂塵や煙の立ち込める危険地帯から抜ける。
アサギは刀をしまい、そのまま走り続けた。
ユノもそれに続くが、銃は離さない。
「ブロード!」
炭田の入口につき、アサギは声を張り上げた。
ズカズカと中に入っていき、辺りを見渡す。
そして、…聞こえない返事に眉を潜めた。
「あ?…まさか勝手に戦場に!?」
「…いえ、それならここに来るまでに会う筈です。それに…、これ」
険しい顔のアサギに見えるように、ユノは床を指差す。
そこにはブロードの物である剣が置いてあった。
それがある限り、彼が外に出た可能性は低い。
「奥の方にいるのか?」
「…まさか寝てないでしょうね」
ユノの声も低くなった。
二人して恐い顔をして、炭田の奥に足を進める。
段々と暗くなるそこに、ユノは不安を覚えた。
アサギに声をかけようとしたところで、闇に慣れてきた瞳が何かを捉える。
「…え?」
「どうした?」
大将も部下に声をかけ、その視線の先にあるものに目を向けた。
──…そして、立ち止まる。


