「甘くなったもんだ」
「……………………。」
「俺が教えたのは?何故今日の戦いでお前は敵を殺さなかった」
「……………………。」
こちらを睨むラルフとダグラス。
(そういうこと…)
嫌に二人の視線が痛いと思っていたら、変わったユノに憤りを覚えていたらしい。
何とも困ったものだ。
「私が今いるのは第一です。第三の貴方にとやかく言われる筋合いはありません」
「元上司だぞ」
「関係ありません」
キッパリ言い張ったユノに、ラルフとダグラスは苦い顔をした。
(…昔からそうだ)
副隊長ダグラスは隊長ラルフの後を金魚のふんみたくついてまわり、ラルフはその優れた実力からか妙な自信を持って威張りくさる。
あの頃は上司だからと従っていたが、その関係も消えた今この人を気にする必要はない。
「もう帰っていいですか。お邪魔してすみませんでした」
「待て。帰らすか、俺は納得してない」
「知りませんそんなこと」
「生意気言うな小娘が!」
これも第三にいた頃と同じ。
ユノの態度が気に入らなかったらしく、ラルフは手をあげた。
ぶたれる、けれど腕を掴まれているので避けられないのもあの頃と変わらない。
ユノは諦めて久しぶりの感触を待った。
(絶対殴られたあとその腕捻り返してやる)
…何とも勇ましい女の子だ。


