「動きにキレがなかった」
「…………………。」
「どこか怪我してるのか?」
へ?という顔の他の面子は置いといて、アサギはブロードだけを真っ直ぐに見る。
ぱちくり瞬きしたブロードは、ネクタイに視線を落とし「いいえ」と答えた。
それを上着と共に畳みながら、「さっきユノにも言ったじゃないですか」とへらりと笑う。
アサギはその返答に眉を潜め、そして彼を睨んだ。
「俺が見間違うとでも?お前、右側の反応が遅かったぞ」
「……右側…。アドバイスありがとうございます」
「そうじゃないだろ!」
怒鳴り付けたアサギ。
ブロード以外のメンバーは、はじめて見た怒る大将に目を丸くした。
それとは反対に、ゆっくり顔を上げる冷静なブロード。
「アサギさん」
「………………。」
「最近動いてなかったから鈍ったんですよ。でも、心配して下さったならありがとうございます」
なおも笑顔でそう続けたブロードは、置いてあったお茶を飲み干した。
畳んだ上着をテントの端に投げ落とし、先程戦闘で使った剣を取り出す。


