ユノはすぐ隣にいる彼の様子にかなり驚いた。
やっぱり笑顔は笑顔なのだが、雰囲気がガラリと変わったのだ。
ブロードは自分の長い髪をゆるく一つに縛る。
蒼い目が、凛と輝いていて。
軍服がいつもの彼の数倍似合っていた。
「…ユノはそのままで戦うのかい?」
不意に声をかけられ、思わず彼に見入っていたユノはハッとした。
慌てて取り繕う。
「は、はい。私はこれでいいです」
「そっか」
ふわっと柔らかく微笑むと、ブロードは既に準備を終えている他の部員を引き連れ部屋から外に出た。
ユノもそれに続く。
「…場所はどこですか?」
廊下を歩きながら、ブロードは隣を歩くアサギに質問をした。
すると直ぐに返事が返ってくる。
「こちら側の領土。ユンデルのところだな」
「それならあまり侵入はされてないみたいですね」
アサギの返答を聞いたブロードは、腰のホルダーに装備している銃や剣を確認しながらそう言った。
ユンデルはこのルビアニス国の東の海岸沿いに接する小さな町。
海から来る相手国は何度もそこから攻めて来ている。
故にブロードからしたら、そこでの戦闘は手慣れたものなのだ。


