ブルービースト

(ユノちゃん、恐ろしい子!)


今度はポチも同感だったらしい。


犬と青年は顔を見合わせると彼女から少し距離を取った。

それがとばっちりを受けない為の一番の安全策だ。



「もう知りませんよ、怒られるのはアンタなんですから!」


「私が起こそうか?」


「無理無理、コイツほんっと最近いつもにも増して起きないから…、え?」



蒼に怒鳴っていたユノは、弾かれたように顔を上げた。


何だかあまり聞かない声が聞こえた気がする。


レイツも気付いて振り返り、…そして二人揃って絶句した。




「げ、元帥さま!」


「久しぶりだね、レイツ君と…ユノさん?」


フロアリビングの入口でニコニコ微笑むのは正真正銘元帥その人。


キィル元帥は中に歩み寄ってくると、眠るブロードを見て苦笑した。



「こんな穏やかな寝顔を見るのは久しぶりだな」


「あ、あの…」


「ブロードに用事があるんだ。起こさせてもらうよ」



戸惑う二人には目もくれず、キィル元帥はそう言うとブロードをゆさゆさ揺らした。


もちろんそんな軽いものでは起きない隊長。


元帥は仕方ないな、と溢すと身を屈めブロードの向こうずねにチョップをかました。