* * *
リシアがブロードらを見送ってから、何時間もの時間が去った。
まだ誰も帰って来ていないし、相変わらず爆音や発砲音、悲鳴が立て続けに響いている。
「………ハイリアぁ…」
彼の安否ばかりが気になるリシアは、洞窟の地面に相合い傘を描きまくっていた。
…ある意味呪いみたいで恐ろしい。
そんな風にリシアがいじけていたとき、怨念が籠っていそうなそれにふと影が射した。
ハッと顔を上げたリシアの目に映ったのは、知らない男性とその人に抱えられるセリナの姿。
そして、その二人の後ろに続く、愛しい恋人だった。
「ハイリア!セリナさんっ!…っと、知らないオジサン!!」
「オジサン言うな!俺はまだバリバリ現役だぞっ」
「いやオジサンでしょ。落ち着いて下さい、アサギさん」
ハイリアが苦笑しながら男性──アサギに言う。
アサギは悪い悪い、と溢しながらも全く動かないセリナを降ろした。
「……セリナさん…っ!」
ドクドク、流れる赤。
師匠セリナは腹部から大量に血を流し、気絶してしまっていた。


