ブルービースト


「今日でこの遠征も終わりかぁ」


「なんか最終目的地に来たのはいいけど寂しいわね」


「…セリナから寂しいなんて聞く日が来るとは」


「殺されたいの?」



いいえ滅相もない、


そうひきつった笑顔を返したハイリアは、リシアの額に軽くキスすると「いってくるよ」と綺麗に笑んだ。


不安げに見上げながらも頷いたリシアに、セリナも珍しくやんわり微笑む。



「リシアちゃん」


ハイリアが出ていなくなってから、彼女はリシアの肩に手を置き呼び掛けた。


やっぱり納得いかなさそうな少女を見据え、ゆっくり言葉を紡ぐ。



「…ブロードが訓練することを許したのは、貴女が自分の身を守れるようにする為よ。

でももしこの洞窟が敵に見つかったりしたら、真っ先に逃げなさい。

今日の相手は貴女の戦えるレベルじゃないわ」


「…はい」


「よろしい。絶対よ」



セリナは満足げに笑って赤茶の頭を撫で、ブロードとハイリア同様に去っていった。



「……みんな子供扱いして…」


残されたリシアはいじけながらその場に座り込む。




そう遠くない場所で、発砲音が鳴り響いた。