『あんた本当に1人なのよ。大丈夫なの?』

『大丈夫だって』

多分…………。


あれは憂鬱な春だった。


ピカピカの制服を来て高校へ向かう入学式の朝。
二人の親子が心に期待と不安を膨らませて、桜の花びらがひらひら舞う道をただただ歩いた。


『早く学校なれなさいね?本当に本当に大丈夫?』

『あーもーっ分かんないよぉっ!!!!とりあえず大丈夫だから心配しないで

母の言葉にあきれる彼女……


鈴木ななみ。