「お疲れ様」


頭の上から声が降ってきて、美由は頭上を見上げた。

そこにはさっきの吸血鬼が宙に浮いていて、美由のことを見ながら薄笑いを浮かべていた。


「ど、どうして……」

「ここは俺の世界。だから俺から逃れることは出来ない」



吸血鬼の世界?


ここはこの吸血鬼の世界だっていうの?



そんな世界、絶対にあるわけない。






じゃあ、ここは……何処?


この吸血鬼は……何?