美由は足を震えているにもかかわらず、止めなかった。

ずっと体力の続く限り走り続けた。

けれど

いつまで経っても

どんなに走っても


出口は見当たらなかった。


ずっと同じ光景のせいか、同じ場所をぐるぐる回っているだけのような感覚に陥る。

こっちがわから来たというだけで、本当はどこに出口があるのかなんて、わからなかった。



それでも、捕まるのは嫌。

殺されたくない。


美由はずっと走り続けた。



「はぁ。はぁ。ここまでくれば大丈夫……よね」



私は一体どのくらい走ったのだろうか。


結構走り続けたことはわかっている。


息を切らしながら、後ろを振り向いた。

さっきの吸血鬼が追いかけている様子は見られなかった。


美由は、ホッと胸を撫で下ろした。


そんな束の間