さっきまでの不安は一気に消えて、私は安堵の表情を浮かべた。


やっぱり全部夢だったんだ。





「行ってきまーす!」


私は空を仰いで笑顔を作ってみた。


夢じゃないとわかって本当に嬉しかったから。




だから


そのとき、遠くからアロナイヤが見ていたことなど

知る由もない――。




「クス……」