でも、これが夢で本当によかったと思った。



部屋の時計を見ると、午前6時前。


今日も長いこと、魘(うな)されていたようだ。




二度寝する勇気はなかったので、私はベッドを抜けて制服に着替え始めた。



ふと鏡を見ると、鏡越しに自分の右肩に何かが付いているのが見えた。




「嘘……」



それは吸血鬼につけられた、契約の証だった。


あれは夢のはずなのに……どうして。



私はもしかして、本当に吸血鬼の――。




「何が嘘なの?」