「もしかして傘無いの?」


またもや、永瀬君が口を開いた。


「え?あ……うん」


なんとなく、傘がない、と言うのが恥ずかしかった。




「貸そうか?」

「え!いいよいいよ!」


私は思い切り否定した。


「別に遠慮しなくてもいいよ。俺2本持ってるし」


「な、なんで?」


「俺傘持ってきたのに、親がそれ知らなくて後から届けにきたらしくて」


「そ、そうなんだ……」


「うん。だからいいよ、使って」


「あ、ありがとう……」