そうだ。

今だけそう言っておけばいいのだ。



この吸血鬼の姫になろうが許婚になろうが、こいつともう会わなければいい話。


きっとどうにかなる……。



「……わかったわ。貴方の姫になる」


とても勇気を必要とする一言だった。

どうなるかわからないけど、もう



仕方のないこと――。




「フッ。いい子だ」



そう言うとアロナイヤは私の腕を掴んで自分のほうへ引き寄せた。



そして強引にも私の唇を奪った。