そんなの嫌。


そんな選択肢ってない。



もしここで、吸血鬼の許婚にならなかったら、殺されてしまうんでしょ?


殺されるのが嫌だったら、姫になれって……



そんなのおかしい……。



私はどうしていいかわからず、俯いた。





きっと、この吸血鬼にとって人を一人殺めることなんか容易いことなのだろう。




死ぬのは嫌。


だから私には、この吸血鬼の姫になるという選択肢しか選べなかった。