私は辺りを見回した。




アロが……いない。




「ん?美由、どうしたの?」


「ごめん。私、このあとのパーティー遅れて行く」


「え?なんで!?」


「ごめん!でも行くから!」

私はそれだけ言うと、家まで走った。


「ちょっと、美由!」




実はこのあと、永瀬君のチームが優勝したということで、パーティーを開くことになったのだった。



参加する人数はきっと多くて、パーティーのとき、さりげなく話掛けようなんて、そんな企みを持っている訳ではないが、なんとなく永瀬君に近付ける気がして、私はすごく楽しみにしていた。