試合が終わって、周りのミーハーたちが永瀬君の元へと駆け寄ると、タオルやら飲み物やらを手渡している。



勿論私はそれをただ見ているだけ。


何も言わずにただ。




そしてチクりと心に何かが刺さるのを感じた。






「永瀬君の最後のシュートすごかったね!」


試合が終わって、奈津と一緒に家に帰る途中に奈津が言った。


私も相槌を打つ。