入り口の前に着いたのが6時10分。

サキが化粧を直しながら待って居た。

「ユキおそーい!」

「ごめんごめん!お母にとめられてさ!」

「別にいいけど!中入ろ!」

私達は馴れたように中へ入った。

─ドンドンドンドン

久し振りの音楽に胸が騒ぐ。

…だけど、失恋したからかな…。踊る気が全然湧いてこない。

サキはクラブ仲間に会ったのか、いつの間にか居なくなっていた。

私はため息をつき、角の方へ向かう。