ピッチャーに水を汲み、沸かしに行く彩。


「えっーと…石、これ入れていいのかな」


(ピッチャー、ガラスみたいだし何かないかな…?)

ガスもない、ケトルもない、もちろんヤカンで沸かすこともできない。


「どうした?」

簡易台所で、探していると白夜がいつのまにか見ていた。


「お騒がせいたしました、何もありませんので…」

彩が持っている水に注目する、白夜が手を離れた場所から手をかざす。


すると、水が沸く。


「あ…お手間をとらせてしまい、申し訳ありません」

そのガラスの様で実際は、ガラスではないものを持ったまま頭を下げ謝る。

「こんな事はなんでもない…王の力を使うから、ここには必要最小限しかないんだ」

そんな事を言いながら、注意深く彩に近づく。
逃げられないように。


「左様でございましたか…」

そのピッチャーを持ち、玉露をいれる。

(なぜ、玉露が?)


よくよく考えてみれば、化粧品も日本製品で、疑問がうまれた。


彩は昼に起きた所を呼びよせられたので、あちらのものといえば激安ワンピ位でだ。



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