「拾うのはいいが、元通りにするには魔法がいるぞ。あいつらだっておまえの姿を見るんだ、せっかく作ったものを付けてなかったら悲しいだろ」

久しぶりに合う目線に、身体は強張るが、それを表に出してはいけないと自分を律する。


表にだせば出すだけ、敵が増える。


感情を悟らせないようにしなければいけないと感じる様になっていた。


「お心づかい感謝いたします、陛下」

その言葉と共に、掲げられた手に光が宿り放たれる。

彩の手の中にあったものがもとの形になる。


それを帯に引っ掛けて、陛下の出した手につかまり歩きだす彩を忌ま忌ましげに、憎悪の視線で見つめるいくつもの視線。



「お気遣い痛み入ります、陛下」

こっそりと告げる。


彩の手はしっとりと汗をかいていて、緊張しているのが伝わる。


顔には全くだしていない彩を見て、ずいぶんと成長したと思う白夜。


白夜は彩にわざと恥をかかそうと実行した姫を記憶する、そしてこっそり栄達に目配せをした。



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