平伏する前に、先に行動を制す。


(あ、あの人達位のでいいや)


ごはんに、一品メインが付いて、みそ汁にお漬物。


十分だろう。


「私にも同じものを下さい」

「なりません」

「私に太れというの?」


予想外の理由で、それ以上制止出来ずに戸惑う。


今までならば、飾り物には豪華な食事はいらないと言うのかと思えば…


「朝も、ごはんとか出来ますか?もしくは昼はお弁当がいいので、厨房かしていただく訳にはいきませんか?」

カウンター越しに、声をかける。


「弁当は用意します、和洋どちらでもかまいませんか?」


「あまりものでも、つめていただければいいので…あと基本的にはこの位で構いません」

「はぁ……」


今回は陛下に許可と言われずにホッと一安心する彩。

トレーを自分で持ち、執事さん達と同じテーブルに座る。


「はじめまして、法宮 彩と申します。一日ご苦労様でした」

彩が話す言葉に驚いたが、平伏をすることを禁じられ、食事しろとの命令に従う他ない。



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