待っていたの

そう思い、帰り道を歩く。陛下の寝室まで護衛が付く。


息ぐるしい。


また、この部屋自分の部屋に戻らなくちゃいけないなんて……。


「あ、ご飯まだだった。食堂行かなくちゃ」

こっちに来てから、極端にお腹が空くこともなくなった、緊張しているからだ。

「ご用意いたします」

そうは言うが毎日朝からフルコースの陛下の朝食。


正直いらないし、毎日食べてたら太るでしょ?


和食も作れないかもしくはたまにでいいので料理出来ないか聞きたかったのだ。だが、今は…


「いらない、形式上の妃にそんな金かけるなら、他にまわしてよ」

特に牢屋から帰った直後だからそう思う。


そう言い食堂に向かうとまた掃除をしている、メイドが遠目に見えたので迂回して行く。


「すみません、お邪魔してもよろしいですか?」

薄い色の麻の服を纏った、執事(実際違うだろうが彩はそう呼ぶ)達の箸が止まる。


「そのまま!そのまま食事を続けて下さい」



.