「いいえ、陛下の次に妻である貴女です」

「アハハ…どこが?どこがそんな扱いを受けてるというの?」

自嘲するように笑う。


パタンと本を閉じ


「付いてきたいなら、付いて来なさい」

護衛に声をかける。
女の子と男の子の側を通る時には、ごめんなさい。と一言謝って。


「牢屋あるんでしょ?行けるの?陛下の次の権力の持ち主である私は…?」

皮肉を言う彩にしかめっつらをする。


「可能でございます」

一瞬で表情を元に戻し、無感情で答える。


「そう…案内して…?」

「こちらでございます」


外宮の外れにある、ひとり護衛が外れたので、きっと陛下に報告に行ったのだろう。


いちいちカンに障る。


暗い場所で高温多湿でジメジメとした場所、そして汚い。


「ここ…改善しましょう、こんなのじゃダメよ!病気になるだけ」

看守が頭を下げて、彩の言葉を聞く。


「これも陛下に許可がいるなら、取ってきてくれる?」



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