明らかに照れている白夜をからかい遊ぶ栄達。


「姫は馬鹿だよね……」

「自分から仕掛けて撃沈してるしな」

「きっかけは全部、姫なのに。あの男と仲良くなければ白夜だってあんな無茶しなかったのにね?」

「そうだが……」

「ほら…きっかけは自分だって事も分からないで白夜怨んで、運命呪って悲劇のヒロインぶってどうすんのさ?」

「ああ…」

「白夜の優しさに気づかずに、あの姫は龍国を馬鹿にした、許さない」

「あそこに居た護衛は知らなかったと納得したがな」

栄達の瞳は怒りに燃える。白夜はその栄達に違和感を覚える。
ひとりの女に執着していることに。


「龍国の第一妃の何が不満なの?なりたい奴なんか死ぬほどいるんだ、贅沢な姫だよ」

「まぁ…大人く妻になるしかないからな…」

「絶対に龍国に繁栄をもたらして貰う、姫の個人的感情も考えも必要ない」

自我のある道具は邪魔なだけだ。
我が儘と強情が少し削ぎ落とされたけど…まだ諦めてない。



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