何もする事ないと思ったが、高官が彩を訪ねてきて娘や孫の話しをする。


最初は机で聞いていたが、ソファーに移る。


メイドが持ってきた、茶器でお茶を自分の為に入れたが欲しそうに見ているので、ついでに入れるとその話しすら回り、来る人来る人にお茶を入れてくれと目で訴えられた。
それすらも、面子に関わる事らしい。

贔屓もいけないのでひたすら自慢話しを聞き、お茶くみをして午前中を過ごした。


妃候補も中々見つからないし、そろそろ御前を失礼する時間だ。


「時間のようです、御前失礼いたします」

陛下にのみの挨拶、栄達はいないものとして扱う彩。

「僕たち仕事してるんだけど、お茶くらい入れてよ、気がきかないな〜」

ちらりと栄達を見遣り、茶器をすべて預ける。


そして出ていく。


「それでは…」

髪を翻し出ていく彩を男ふたりは見つめる。


「あーあ…、姫怒ってるよ?」

「あまりからかうな…アレは俺のだ」

「わかってるよ、ずっと待ってたんだもんね?」

「うるさい!」



.