また、退路を絶たれた。


でも、他の女性に手を出さないとは思えない。


手を出したら、一気に後宮に入って頂く。


それに、姫様たちのチェックもしておこう。


ぐっと唇を噛み締める。


「これで朝議は終了じゃ」

コンコンと杖を鳴らし、陛下が立ち上がる、その姿を見て、礼をとる。


そして、彩も降りる…はやくこの場所から降りたかった。



無言で向かう執務室。


「失礼いたします」


そこには小さめの机が用意してあり、花が飾られていた、ここは私の机だろう。

椅子に座り、机を開けてみる。
羽根ペンと紙はあるみたいだ。

栄達が入ってくる、栄達は私の逆の右側の机を使っているのだ。


これから、朝が憂鬱になりそうだ。


朝食も取らずに、私は何もすることなくここに拘束されると嫌気がさす。


肘を付いて、窓の外を眺める。
鳥が囀り、綺麗に手入れが施された庭。
人工的な、庭をぼんやりと眺める。

何でこうなったんだろ。



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