「陛下、調べがつきました臥商家の次男、臥 淑鵬と一悶着あったようですが、仲良く午後から臥家に行っているとの事です」

バタバタと入ってきた秘書官の言葉に絶句する。


「姫やるぅー」

「あの馬鹿は何をやってんだ!」


商家は、商人。
あまり王の栄光が届かない。

王を無能と判断したら、即刻国を見捨て、別の国へ商いをしにいく人達だ。

中でも臥商家は歴史も古い商家だ。
龍国で商人達を束ねる元締め的役割を担っている。


「臥家に行くぞ」

正装のまま、執務室を出ていく、白夜にしたがい出てきた栄達。


羽の生えた蛇の妖獣を操り、ふたりは飛び立つ。
騰蛇と呼ばれる。

「あそこが、臥家ですよ、陛下」

門の前に妖獣で降りる、門番もいるが、陛下の格好では高位のものと知れ何も言われない。


「何それー!」

アハハハハと白夜達は聞いた事のない彩の笑い声に、栄達は白夜から殺気が流れ出るのを感じた。


「落ち着いて下さい、陛下」

「淑鵬も疾も、優しいから、好きーー!」



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