誰が見ても一目瞭然な、豪華な絹の生地でゆったりと作られた服に、彩の世界では安く売られていた、シュシュ。
525円で売られていた、ブルーのビーズとキュービックジルコニアがついた民族チックなシュシュで、お気に入りなのだ。


この世界ではこんなに細かな、しかもキュービックジルコニアなんてない。

ビーズももう少し濁っていて、光に反射してキラキラ輝かない。


メイドには見えない。
そして昨日からの噂を当て嵌めれば、彩が誰か?など容易に想像がつく。


回廊に面している庭に出て膝をつく者、回廊に膝をつく者、挨拶にも多分…立って顔を伏せている人達が位が高いのだろう。


着ているものも豪華だ。


前から曹老人も歩いてきた、そうか今からきっと朝議と呼ばれる朝の会議の時間だからだ。


「曹さま、おはようございます」

白い髭を触りながら、私を驚いた顔で見た。
ちなみに、この人は根っからの臣下で、陛下の親戚でもなかった。



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