「そんな……」

そんな事あるはずがない。

「お前の居た世界とは、すべて違うんだ」

「あ……」

あの土下座も、そうだ。
そして口を聞かないのも、身分が関係している。


「そっか…身分の上下は色で決まっていますね？真っ青が最上位つまり陛下の正装の色ですね。そして私は人ではなく繁栄をもたらす道具というわけですね」

自分で言っていて、泣きそうになる彩。


(人としても、扱ってもらえない)


「そうだ」

「わかりました、お時間が迫っておりますので、朝食をとられたらすぐに、参りましょう」

二人が食べられる分用意された食事に彩が手をつける事なく、自室に下がり白に近いドレスに着替えてまた出てきた彩に、目を止めたが白夜は何も言わない。


そのまま、疾を伴い執務室へ行く。

中に居た栄達が、彩を呼びとめにこやかに話しかける。

「姫には濃い色の方が似合いますよ？」

と決して身分に関係あるものだと言わずに、彩に似合う色だということを押して濃い色に着替えさせようとする。



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