「ごめっ……」

そんなつもりじゃないのに。
涙が溢れて止まらない。


この無口な男の人が、どうしてよいかわからないと慌てた様子で、私を見てお茶を出してくれる。


そのココロが嬉しくて、嬉しくて涙が止まらない。


目の前に差し出されたカップに、涙が吸い込まれて波紋が広がった。


「ありがとう」

落ち着く為に、お茶をのんだら胸に染み渡った。